頭上から差し込む光。
それが湖に反射して、きらきらと光る。
祭壇へと続く階段。一歩一歩踏みしめるようにして歩き、振り返る。

今まで歩いてきた道のり。
その道のりを見つめ、自らの歩んできた人生を振り返る。
息を大きく吸い込むと、震えていた心は驚くほど落ち着いた。


先日見た夢を思い出す。
そこは光に溢れた世界だった。
空は青く、大きな太陽があり、鳥のさえずりが聞こえた。
ゆったりとした空間に、みんなはいた。
みんなは、並木道をゆっくり歩く。
並木道沿いには色とりどりの花が植えてあり、花の香りが風に乗って鼻をくすぐる。

ティファは片手にバスケットを持っていて、ユフィは声を上げて笑っていた。
クラウドも、みんな笑っていて、そこは温かい空気が流れていた。
今までの戦いの日々が嘘のように思え、世界が光に包まれるのなら、きっと全て終わったのだろう。

そう、あれは全て終わった後の世界。
きっとその日は訪れる。




大丈夫、と言い聞かせる。
私が結末を迎えても、星に帰るだけ。
だから、全然淋しくない。大丈夫。





それでも、足がすくみ、手が震える。
そんな時に、思い出す笑顔。
手を振る、笑顔のザックス。私の頭を撫でるお母さん。
そして、大切な人達。
ティファ、ユフィ、バレッド、シド、ナナキ、ヴィンセント、ケット・シー、そして、クラウド。
大好きな、人達と、その笑顔。









また、大切な人をなくすの?








自らの問いに、首を横に振る。
私がやらないと、みんな死んでしまう。
みんなに繋がる人達、みんな、死んでしまう。


だから、私はやらないといけない。
もう、大切な人をなくさないために。
大好きな人達を、守るために。


みんな、幸せになって。
全てが終わったら、きっと私達は会える。



それまでの、暫くのさようなら。











2005/05/18 meri.




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